エクセルで勝手に「折り返して全体を表示する」になるのを解除できない場合の対処法

エクセルでセルに文章を貼り付けるとき、「改行」が含まれた文章であれば、「折り返して全体を表示する」が勝手に設定されてしまいます。

本来は文章を1行(あるいは2行)といったように「決まった行数」で表示したいのに、文章を貼り付けるたびにセルが広がってしまうので面倒ですよね。

私もこれを解除できないことに悩んでいましたが、ちゃんと解決できましたので、その対処法について解説します。

「行の高さ」を設定する

まず、セルが広がる現象の根本的な原因は、「折り返して全体を表示する」が勝手に設定されることにあるのではなく、「行の高さの自動調整」が有効になっていることが原因です

「行の高さの自動調整」の設定を解除すれば、たとえ「折り返して全体を表示する」にチェックが入ったとしても、セルが広がることはありません。

「行の高さの自動調整」を解除するには、「行の高さ」を手動で設定し直します。以下の手順を行いましょう。

①「行」を選択。

② 右クリック → ③「行の高さ」を選ぶ。

④「行の高さ」の初期値は「13.5」なので「13.5」と入力。
⑤「OK」を押す(最初から13.5になっていた場合も必ずOKを押して下さい)。

一見何も変更していないように見えますが、このように「行の高さ」を手動で設定することによって、「行の高さの自動調整」の設定が解除されています。

試しに、改行が含まれた文章をセルに貼り付けてみます。

これで、改行が含まれる縦長の文章をエクセルに貼り付けたり、「Alt+Enter」で改行をセルに加えたりしても、セルの高さが勝手に広がらなくなりました。セルの高さは固定された状態です。

1行ではなく、セルに2行や3行の文章を表示させたい場合

セルに文章を2行で表示させたい場合は、1行の高さが「13.5」なので、2倍の「27」に設定してみてください。3倍なら「40.5」に設定すると綺麗に3行で表示されます。

▲2行は高さ「27」 ▲3行は高さ「40.5」 ▲4行は高さ「54」

もちろん、フォントサイズなどによって細かい値は変わるので、その辺りはちょうどよくなるように調整してみてください。

 

「行の高さの自動調整」を再び有効にしたい場合

上に紹介した手順で、「行の高さの自動調整」を解除してセルの高さを固定しましたが、元の設定のように自動調整にしたい場合は、以下の手順で戻すことができます。

① 行を選択。

②「ホーム」タブ

③「書式」→ ④「行の高さの自動調整」

これで、行の高さが自動調整されるようになりました。「折り返して全体を表示する」のチェックが入っている場合、セルからはみ出しそうなときはセルの幅が広がります。

補足 :「折り返して全体を表示する」の自動設定を無効化するわけではない

ちなみに、上に紹介したように「セルの高さの自動調整」の設定を解除したとしても、改行入りの文章を入力すると、「折り返して全体を表示する」のチェックはついてしまいます。

エクセルの仕様上、改行入りの文章を貼り付けたり、「Alt+Enter」などでセルに改行を入力したりすると、自動で「折り返して全体を表示する」の設定が入ってしまうようです。これを無効にする方法については、オプションなどを探したり色々調べたりしましたが見つかりませんでした。

一応、上に紹介した方法を使えば「セルが広がる」という現象は起こらなくなるので、特に支障は無いと思いますが、もしどうしても「折り返して全体を表示する」のチェックも外しておきたい!という場合は、表全体を選択して、折り返しの設定を解除しておきましょう。

① エクセルのワークシートの左上の四角をクリックして表全体を選択。

②「折り返して全体を表示する」のチェックを解除。

もちろん、たとえこの設定をやったとしても、以後「折り返して全体を表示する」の設定がつかなくなるわけではありません。あくまで、ついているものを外す、ということです。

改行セルが広がる現象の対処法については以上です。